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自動音声応答による請求書支払い:Allstate保険の場合

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Allstate保険の請求書をコールセンターの自動音声応答で支払った経験談です、エージェントと違って待たされることはなく、また認識レベルが格段に向上してスムーズなやりとりが可能だったことから、音声応答がカスタマー・エクスペリエンス向上に貢献する時代に入ったと感じました。日本語の音声認識技術をご存じな方がいらっしゃれば、最新状況をぜひご教示ください。

(注)米国では、銀行口座からの自動引落しはあまり使われておらず(普及率が低い背景は不明だが、自動引落しに対する信頼感が高くないのではないかと思われる)、ベンダー企業側も自動引落しを提供していないケースが多々あります(請求書送付の上、小切手郵送かカード払いのみ)。

■ 背景
日本滞在中にAllstate保険から住宅火災保険の請求がEメールで来た。代金を支払うべくWebサイトにアクセスしたが、なぜかログインができない。エラーメッセージが「ID/パスワードが違います」ではなく「フリーダイアルに電話をかけてください」なので、海外からのログインを制限しているのだろうと思い、SkypeOutでアメリカのコールセンターに電話をかけた。

昨今、米国のコールセンターでは、第一段階として顧客に用件を口頭で話してもらうケースが多い。簡単な内容ならば自動音声で回答し、それ以外は用件に応じた担当エージェントへ転送する。「xxの方は1番を、yyの方は2番を・・」など、メニュー方式による切り分けは次第に減少している。

■ 自動音声応答だけで、支払が完了
Allstateのフリーダイアルでのやり取りは、以下の流れだった(英語のやり取りを日本語で説明したものです)。

Allstate(以下A):ご用件を簡単にご説明ください(自動音声)
Suzuki(以下S):請求書を支払いたい(声での回答)

A:では請求書を探します。お名前は?
S:SUSUMU SUZUKI

A:生まれた年は?
S:19xx年

A:生まれ月は?
S:2月

A:12xxドルの件でしょうか?
S:YES(なぜこれだけの情報でピンポイントできるのかは不明。上記以外に、電話を掛けたSkypeのユーザー情報/コーラーIDも参照しているのかもしれない)

A:最低支払額はxxxドルですが、この金額を払われますか?
S:NO(支払いには、月次/四半期/半年/1年の選択肢があるが一番割安な1年払にしたい)

A:支払いたい金額をおっしゃってください。キーパッド入力でも構いません。
S:(ここのみキーイン:これまで、数字を発声しても聞き取ってもらえないケースが多かったのでキーパッドを利用した)

A:12xxドルですね?
S:YES

A:支払いにはクレジット・カードをご利用ですか?当方には下四桁xxxxのカード事前登録がありますが、このカードを利用されますか?
S:YES(もし事前登録がなくとも、カード番号/有効期限入力で支払えた可能性は高いと思う)

A:支払いを受け付けました。48時間以内にメールでレシートを送ります」「他にご要件はありますか」
S:NO

A:ありがとうございました。

電話が終了と同時に、クレジット・カード会社から「Allstateにおいて12xxドルのCNPトランザクションがあった」旨のメールが来た。翌日には、Allstateの担当営業名で支払い完了のメールが来た。

■ 音声応答でも、心地よいエクスペリエンスだった
これまで請求書はオンラインで払っていたが、今年は日本にいたため、期せずして音声自動応答を利用することとなった。以下3点が良い意味で想定外だった。
・用件が(単なる問い合わせではない)支払い処理だったので、最終的にはコールセンターのエージェントと会話することになると思っていたが、自動応答だけですべて完了した。
・音声の認識率が非常に向上していた(私の発音が良くなったわけではありません:これまでは、Nativeでないと英語の認識率が低く、コールセンターは敬遠していた)。
・エージェントが出るまでの待ち時間や音声認識エラーによる言い直しがほとんどなく、短時間で処理が終了した。

今回の経験で、自動音声応答技術がカスタマー・エクスペリエンス向上に貢献できることを実感した。日本語の音声認識技術の実情をご存じの方がいらっしゃれば、ぜひご教示いただければと思う。

ABOUT THE AUTHOR

Steven Suzuki is the Head of Asian Operations at Aite-Novarica Group, focusing on business development in Asia. Steven brings to Aite-Novarica Group over 20 years of experience in the Japanese financial services and information technology industries through Datos Insights's acquisition of Solution Services Inc. Steven founded Solution Services in New York in 2005. Based on a deep understanding of U.S. and Japanese financial industries, business practices,…

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